1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
「たゆまざる努力の積み重ねで、研ぎ澄まされた鋭い勘が育つ」
先代社長 瀧源 秀昭は、今日のタキゲン製造を創造し、礎を築き飛躍させてまいりました。
そこには当然ながら、お客様のご支援とご愛顧があってこその姿ではあります。
さはさりながら、当社を発展させるにはどうするべきなのかという閃きが34年前にありました。
先代特有のエネルギッシュな表現で諸先輩を鼓舞するメッセージをご紹介します。
会社というのは人間の集団ですから、一人ひとりの質が良くなれば、自然と会社もよくなっていきます。
質とは何か。物の考え方なのです。
ですから、創造するタイプの人間を育てていけば、その集団であるタキゲンには、前途洋々たるものがあるはずです。
創造性豊かな人間をつくり出すことを私の基本的な教育の理念にしていきたい。これは50年、100年後のタキゲンの大きな目標になっていくし、大きな根っこになっていくと思います。
独創性、創造性に重要なのは“勘”とか“閃き”です。
今までは合理性だの計数的だのと言って、過去の数字や体験を重視して、人間の持っている“勘”という特技を軽視してきました。
これは大変な誤りで“勘”のないところに創造性はありません。
では、“勘”とは何か!
毎日毎日、毎時間、今日も明日もひとつのことを考え続ける―そうすると、ある日突然、閃きが湧くものです。
何も考えないで浮かんだものは、“勘”ではなくヤマ勘です。たゆまざる努力の積み重ねが非常に大切で、そこから生まれる“勘”から独創性が湧いてきます。
研ぎ澄まされた“鋭い勘”というのは、人間だけのものです。
(中略)
既成のもの、過去のもの、現在できているものをターゲットとしてはいけません。すでにあるものに満足を感じていれば、そこで終わりです。
創造する…創り出す夢を持って、今年から励んでいきましょう。
(1983年2月号 新年賀詞交歓会より)