世の中には、ユニークな発想をもつ企業や、世界に誇れる技術を備えた中小企業が多数存在します。このコーナーでは、タキゲンの目線で「ちょっと面白いな!」と思ったお客様をご紹介します。

自然と共に生きる非電化工房様

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ー非電化というのは、具体的にはどのようなことですか?

非電化は「お金やエネルギーに頼らなくても得られる豊かさ」の象徴です。

スピードと便利さを追求する現代生活の象徴である電気をあえて使わない、ホドホドに便利な道具「非電化製品」や、自然の素材を使ってアマチュアでも建てられる、低コスト省エネルギー住宅「非電化建築」などを発明・開発しています。手足を使い技を磨く喜びを大切に、自然と共に生きるスローで丁寧な暮らしを提案しています。

ー主な製品を紹介してください。

hidenka_3自給的な生活をオシャレに愉しむための様々な製品を開発しています。

例えば、非電化搾油機は、ゴマ、ナタネ、荏胡麻、亜麻仁、椿、クルミ、アーモンドなど様々な種子から油を搾るための手動の道具です。油圧の機械を応用することで、女性やお子さんの力でも10トン近くの圧力を加えることができるので、原料の油をしっかりと搾りきることができます。

搾りたての油は、酸化していないのはもちろん、味も香りも別格です。


ー設立当初より非電化製品を製造されているのですか?

2000年に神奈川県葉山町を拠点に、発展途上国向けのプロジェクトとしてスタートしました。環境を破壊したり先進工業国に借金を重ねたりすることなく持続可能な豊かさを実現するため、電気を十分に使えない国や地域でも使える非電化製品を発明し、技術提供を行なってきました。

2007年には現在の栃木県那須町に拠点を移し、非電化製品の製造販売の他、各種ワークショップや見学会、カフェの運営などの文化活動を国内外で行なっています。

ー当社製品はどの様な用途で使用されているのでしょうか?

蝶番やゴム足など、標準部品をよく使用しています。

先に紹介させて頂いた非電化搾油機では、ステンレス製の円筒部品にタキゲンさんのTMP処理を利用させて頂きました。衛生的で洗いやすく、見た目も鏡面より品が良いとユーザーから好評です。

ー今PRしたい製品は?

太陽熱を利用して、乾燥食品を効率よく作るためのソーラー・フード・ドライヤーの改良型が12月に発売されました。温室状の乾燥庫にリフレクターを設け、直射日光+反射光が取り込まれると共に、計算された空気の流れにより水蒸気が滞留することなく排出される仕組みです。シンプルな原理ですが、カゴなどに入れて外に干しておくのと比べると、3倍程度の速さで水分を蒸発させることができます。

乾燥させた食品はエネルギーを使わずに長期保存が可能で、また干すことで更に味が良くなる食品も少なくありません。食品ロスの問題がますます深刻化する昨今、乾燥食品という昔ながらの食品保存の智慧が見直されるきっかけになればと願っています。

こちらもタキゲンさんの部品を使用させて頂いてますよ!

ー最後に一言お願いします。

グローバル化が進む現代では、ともすれば世界中の製品が画一化されてしまいがちです。大量生産により価格は安くなるかもしれないけれど、選択肢のない世界はやはり少し寂しい気がします。

要素部品を一個から廉価に購入でき、また小ロット製造にも快く相談に乗ってくださるタキゲンさんは、私達のようなニッチな市場向けの小規模メーカーが生き残り、文化の多様性を保つために頼もしい存在です。今後も応援をどうぞよろしくお願い致します。

新コーナーはいかがだったでしょうか? 不定期ですが、今後も機会があればユニークなお客様を紹介したいと思います。乞うご期待!

非電化工房様のHP
http://www.hidenka.net/