いま国内で農業に従事する人の数は国民の約2%「260万人」
日本の農業の活性化を考える時、大きな問題は農業従事者の減少と高齢化です。2011(H23)年の農業就業人口は約260万人(国民の約2%)で、年齢をみると65歳以上が6割を占め、75歳以上も3割です。しかも、主たる仕事が農業という人(いわゆる専業農家)の数は186万人(同1.5%)にまで減少しています。TPPの議論の際、国内農業が衰退すると叫ばれましたが、TPP以前に日本の農業には課題がたくさんあります。
農業従事者が減るので、当然のように食料生産に使われる農地も減少し、優良な農地が工場用地へ、また道路や宅地へと変わっていきます。その結果、1965(S40)年に600万haあった全国の農地は、2015(H27)年には約450万haに、約25%も減りました。
農業に必要なのは単なる土地ではありません。表面の数センチが肥沃で、栄養素の多い耕作地です。一度道路や住宅になった土地を、再び農地に戻すには数年かかる(自然のままでは100年単位の時間とも)と言われます。とにかく課題山積の日本の農業ですが、まず私たち国民が農業に関心を持つ、目を向ける、そこから始めるしかありません。