ミツバチが支える農業と社会

ミツバチは私たちの暮らしと密接な関係があることをご存知でしょうか。サステナブルな社会をつくるミツバチの役割と養蜂の取組みについてクローズアップします。
農業におけるミツバチの必要性

ミツバチは花粉交配に多大な貢献をしており、農業分野ではリンゴ、ナシ、イチゴ、メロン、スイカなどの果実や果実的野菜の交配を担っているほか、ダイコンやタマネギなどの野菜類へもその種を得るために利用されています。安定供給、大量生産に必須のパートナーであり、自然と人を繋ぐアンバサダーでもあります。アインシュタインは「もし地球上からハチが消えたなら、人間は4年しか生きることができない」と警鐘を鳴らしたと伝えられていますが、その言葉は決して大袈裟ではありません。2011年の国連環境計画報告書では、「世界の食糧の90%をまかなう100種類の作物のうち、70種以上はミツバチが授粉を媒介している」と報告されています。

「国産はちみつはとても希少」
ミツバチは女王バチ、雄バチ、雌の働きバチで集団生活しています。働きバチの寿命はおおよそ30日間。その短い一生でミツバチ1匹が巣に持ち帰る蜜は、わずかティースプーン1杯。市場で売られているはちみつは輸入品が多いなか、自家製の国産はちみつはとても希少です。
ミツバチは環境のバロメーター。環境活動としての養蜂
環境がミツバチの生存に強く影響し、ミツバチの生存は人間の食糧に影響することから、ミツバチは環境のバロメーターと言われています。ミツバチが増えることのできる環境は15℃~30℃が適温で、農薬や化学物質の汚染がなく、蜜源植物となる広葉樹が多くあり、生物多様性が保たれた場所。そこでは農作物もよく実り、人と自然が共生できる良い環境となります。
様々な環境活動の取組みがありますが、どのくらい環境が改善されたのかという結果は非常に見えにくいものです。その点で養蜂は、ミツバチが植物の受粉を媒介することで果実が実る、地域の緑化が促進するなど、身近なところで自然の状態を感じることができます。植物が増えることで二酸化炭素を削減し酸素を作り出すサイクルが生まれるため、結果として持続可能な自然環境の形成へとつながっていきます。
養蜂の取組みと自家製はちみつの活用
養蜂は事業として行うだけではなく、趣味として始めるケースがあります。また、自社工場の敷地内やビルの屋上など空きスペースを有効利用した 企業養蜂® も行われ、採れたはちみつは養蜂の取組みの紹介と併せて活用されています。
例えば、
- 営業ツールとして大切なお得意様へプレゼント
- 企業が主催する環境活動に参加されたボランティアの方へのプレゼント
- 福利厚生の一環として社内食堂で提供
- 地域の子どもたちへはちみつを絞る「採蜜体験」やミツバチと環境の学習を行う「ミツバチ教室」を開催
など、100社100様の活用が可能です。


養蜂業界の老舗、株式会社秋田屋本店様では、企業養蜂を推進。企業がSDGsの取組みとして養蜂をスムーズに導入できるよう、必要な資材や研修場での実地研修、飼育開始後のフォローなどをセット販売しています。養蜂の専門職である同社社員からレクチャーを受けられるため、初めてでも知識と技術を身に着けられます。
※ミツバチの飼育は法令上家畜として取扱われ、行政機関への届け出が必要です。
【秋田屋本店様での企業養蜂研修の様子】




安心の国産 タキゲン製燻煙器(くんえんき)

養蜂は「この作業でしか使わない」という専用の器具が多いですが、燻煙器は無くてはならない器具の一つです。海外製の燻煙器は安価で入手しやすいメリットはありますが、職人が一つずつ手作業で作り込んでいる日本製のものと比べると壊れやすく、長く使うには不向きという声を聞きます。また、職人の高齢化から作り続けることが難しいという現実からタキゲンに製作のご相談をいただき、部分的に機械化して安定供給ができるタキゲン製の国産燻煙器を開発しました。お手入れのしやすさにもこだわって設計し、専業養蜂家様からも納得の評価をいただける品質に仕上がりました。「作業の効率アップをしたい」「こんなものがあると便利」などご要望がありましたら、最寄りの支店までお気軽にご相談ください。タキゲンは、日本の養蜂業界を応援します。

製品情報
ミツバチ用燻煙器 FD-1328
国産品。錆びにくく耐久性にも優れたステンレス製。
●材質:
本体/ステンレス
ふいご/馬革、朴木

【取材協力】株式会社秋田屋本店 様 〒500-8486 岐阜県岐阜市加納城南通1-18