景観と安全性を目指した街づくりに 無電柱化とタキゲン
「これがタキゲン」ワンランク上の製品を提供致します
美しい景色を持つ街並みを守り、災害に強い日本にするために、また2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、多くの自治体の取組みにより無電柱化が進められています。
こうした電線類地中化にあたり、過酷な使用状況に耐え、防犯対策に強く、メンテナンスのしやすさを追求したタキゲンの産業用錠前が活躍しています。
無電柱化推進計画
国土交通省は2018年4月6日に「無電柱化推進計画」を発表しました。
2016年12月に施行された無電柱化の推進に関する法律に基づく初の無電柱化計画となり、2018~2020年度までの3年間で、約1,400kmという数値目標を掲げました。この目標の数値につきましては、
①防災
②安全・円滑な交通確保
③景観形成・観光振興
④オリンピック・パラリンピック関連
という内容になっています。
①防災では、災害時の電柱の倒壊により、緊急車両や生活物資の輸送路を塞がないよう、都市部の第1次緊急輸送道路について現在の無電柱化率を34%→42%にする。
②安全・円滑な交通確保では、バリアフリー化の必要な特定道路で15%→51%とする。
③景観形成・観光振興では世界文化遺産周辺の地区を代表する道路で34%→79%に、重要建造物群保存地区を代表する道路で26%→74%に、景観法に基づく景観地区等を代表する道路については56%→70%にまで高める。
④2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けては、首都高速中央環状線内側の「センター・コア・エリア」内の幹線道路について現在92%の無電柱化率を全て完了(100%)させる。
これら4つの目標達成に前述した約1,400kmの無電柱化という距離が必要と試算されました。
無電柱化推進計画[概要]国土交通省/2018年4月6日発表
第1 無電柱化の推進に関する基本的な方針
1.取り組み姿勢
・増え続ける電柱を減少に転じさせる歴史の転換期とする
2.進め方
(1)適切な役割分担による無電柱化の推進
(2)国民の理解・関心の増進、地域住民の意向の反映
(3)無電柱化の対象道路
①防災 ②安全・円滑な交通確保 ③景観形成・観光振興 ④オリンピック・パラリンピック関連
(4)無電柱化の手法
①地中化方式: 電線共同溝方式、自治体管路方式、要請者負担方式、単独地中化方式
②地中化方式以外の手法:軒下配線方式、裏配線方式
第2 無電柱化推進計画の期間
2018年度から2020年度までの3年間とする。
第3 無電柱化の推進に関する目標
①防災
・都市部(DID)内の第1次緊急輸送道路:無電柱化率34%→42%
②安全・円滑な交通確保
・バリアフリー化の必要な特定道路:無電柱化率15%→51%
③景観形成・観光振興
・世界文化遺産周辺の地区を代表する道路:無電柱化率34%→79%
・重要伝統的建造物群保存地区を代表する道路:無電柱化率26%→74%
・景観法に基づく景観地区等を代表する道路:無電柱化率56%→70%
④オリンピック・パラリンピック関連
・センター・コア・エリア内の幹線道路:電線共同溝整備率92%→完了
※以上の目標を達成するためには、約1,400kmの無電柱化が必要。
第4 無電柱化の推進に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策
1.多様な整備手法の活用、コスト縮減の促進
(1)多様な整備手法の活用:軒下・裏配線、既存ストック、PFI等
(2)低コスト手法の普及拡大:浅層埋設、小型ボックス、直接埋設等
(3)機器のコンパクト化・低コスト化等技術開発の促進:地上機器・特殊部、昼間工事拡大、新技術等
(4)技術情報の共有:マニュアル、ノウハウの周知等
2.財政的措置
(1)税制措置:固定資産税の減免
(2)占用料の減額:占用料の減額措置、地方公共団体への普及
(3)予算措置
:緊急輸送道路等への交付金の重点配分
:無電柱化の迅速な推進や費用の縮減を図るための方策等に関する調査のため、占用制限や占用料の見直し、官民連携の具体的占用料の見直し、官民連携の具体的な手法について検討しつつ、交付金を活用し、道路事業に合わせて電線管理者が自ら行う無電柱化を支援
:電線敷設工事資金貸付金制度の活用
3.占用制度の的確な運用
(1)占用制限制度の適用
:安全・円滑な交通の確保の観点からの新設電柱の占用制限の検討・措置
:既設電柱の占用制限の検討・措置
(2)無電柱化法第12条による新設電柱の抑制等:運用方針の策定、道路法令の改正の検討
(3)外部不経済を反映した占用料の見直し:外部不経済を反映した占用料の見直しの検討
4.関係者間の連携の強化
(1)推進体制 (2)工事・設備の連携 (3)民地の活用 (4)他事業との連携
第5 施策を総合的、計画的かつ迅速に推進するために必要な事項
1.広報・啓発活動
2.地方公共団体への技術的支援
災害に強い日本にするために
この4つの中で、生活で重要なのは「①防災」だと思います。無電柱化は災害に強いのか?ということが議論に挙がります。
1995年の阪神淡路大震災では、約8,100本の電柱が倒壊し、2011年の東日本大震災では約56,000本の電柱が被災しました。倒壊した電柱や電線は住宅を損壊させるだけでなく、緊急車両や生活物資の輸送路を塞ぎ、災害復旧に影響を与えました。また、通行可能なほとんどの道路では交通が集中してしまうことで、大渋滞が発生し、より復興が遅れたと言われています。
よく電柱がなくなっても外灯があるため、地震の際は外灯が倒れてしまえば同じということを耳にしますが、電柱の場合は電線が無数に張り巡らされており、電線に引っ張られて多くの電柱が連鎖的に倒れてしまうことになります。また、電線を外しながらの撤去作業になりますので、より多くの時間を費やすことになります。
日本が災害に強くなるためには電柱や電線をなくすことが必要だと考えます。
無電柱化によるデメリット
無電柱化のメリットを列挙してきましたが、デメリットもあります。阪神淡路大震災の時の神戸地区での地中線被災率は80分の1と言われていますが、電力線は2分の1となっており、軽減はされていますが、被害を受けていることが分かります。
このような地震などによる断線、停電等の不測の事態が生じた場合、地中に埋設された電線を補修するのには手間がかかります。また、問題箇所を特定するのも架空線のように簡単には見つけられません。停電普及に時間がかかり、復旧費用面でもコストがかかってしまいます。
当然ですが、地中に埋設している電線も老朽化しますので、電線の取替工事となると架空線以上のコストがかかることは容易に考えられます。ただ、これらは、今後日本の地中化が行われていくにつれて、技術の進歩により問題箇所の早期特定や復旧スピードの向上、コスト低減などが進んでいくものと思われます。
東日本大震災・阪神・淡路大震災時のライフラインへの被害状況
(国土交通省HPより)
○電力[東日本大震災]:東北電力・東京電力調べ
○電力[阪神・淡路大震災]:地震に強い電気設備のために(資源エネルギー庁編)
○通信:NTT調べ
※1:NTT神戸支店・神戸西支店管内(概ね神戸市内)でサービスの供給に支障が生じた設備延長の割合
(地中線はマンホール間距離、架空線は電柱間距離)
※2:震度7の地域でサービスの供給に支障が生じた区間・設備数の割合(地中線はマンホール間、架空線は電柱)
※3:ケーブルの断線が発生した区間の割合(地中線はマンホール間、架空線は電柱間)
[地震動エリア]:(岩手県)宮古市(栃木県)宇都宮市、小山市、佐野市、日光市、鹿沼市、真岡市、那須塩原市、足利市、栃木市
[液状化エリア]:(千葉県)千葉市、浦安市、船橋市、津田沼市、幕張市
[津波エリア] :(岩手県)野田村、久慈市(宮城県)塩釜市、岩沼市、石巻市、名取市
※4:供給支障に至らなかった場合を含む
※5:供給支障に至ったもの(上記以外に電柱の傾斜・沈下が約6,000本あり、一部は供給支障につながっているとみられるが、詳細な内訳は不明であるため含めていない)
※6:供給支障に至ったもの(上記以外に電柱の傾斜・沈下等が約23,000本あり)
無電柱化に関わるタキゲンの製品開発
当初開発した地下設備向けシリンダー錠は、砂や泥が詰まってしまい、鍵が開かないということが起こりました。地下設備の設置環境はかなり厳しいため、試行錯誤を経てサイドバー式ディスクシリンダー錠(C-1412)を開発しました。今では電線共同溝や情報ボックスのセキュリティとして全国各地の国道に3万個以上納入実績があり、導入から10年以上経過していますが、開かない・開きにくいといった不具合事例は未だありません。更に鍵の磨耗を少なくしているため、長期に渡る維持管理にも適しています。
また、2020年東京五輪に向けて、東京都電線共同溝マニュアルの蓋の構造に記載されているステンレスキャップから取付け変更が可能なシリンキャップ(C-1412-BOX-F)を開発。蓋を交換せずに簡単施工で大幅なセキュリティアップが可能です。
それから、今まではナットにセキュリティを持たせると製品自体が大きくなってしまっていましたが、コンパクトにすることで使い勝手を良くしたセキュリティナット(C-1029-SN-M8)を開発しました。
無電柱化推進展に出展します
今回ご紹介した製品は、無電柱化推進展の弊社ブースで実際にご覧いただけます。
この他にも新しい無電柱化工法である小型ボックス用セキュリティ金具や夏の暑い時期に電線共同溝工事をされる作業者の方への熱中症対策としてサムカベスト(FD-636)など、様々な製品を展示しております。
無電柱化に関わるセキュリティに関して、鍵が開かない・開きにくい、鍵の種類を統一したいなどのご要望がございましたら「これがタキゲン」を合言葉に様々な視点から提案させていただきますので、お気軽にお声がけください。