【無電柱化事業】国土交通省が進める電線共同溝のセキュリティ対策

技術営業部 情報営業課 加藤

電柱は景観を損なうだけでなく、災害時の倒壊や救援活動の妨げになることも問題視されており、近年、多くの自治体の取組みにより「無電柱化」が進められています。その中で、電線共同溝の防犯性が着目されています。

1.国土交通省によるセキュリティ対策

一昨年の「無電柱化推進計画」で1,400km、「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」で約1,000kmの無電柱化が盛り込まれ、合計2,400kmの無電柱化事業が行われることとなりました。

この事業が行われるなかで、電線共同溝のセキュリティ対策も考えられており、シリンダー錠が設置されていない箇所には施錠機能をつける方策が各所で検討されています。直轄国道だけでなく、自治体が管理する道路にも事業が拡大していることから、国と同等レベルのセキュリティ対策が必要ですが、電線共同溝のセキュリティについては問題視していないため、あまり考えられていないのが実状です。

電線共同溝のセキュリティ
回転ロック式+シリンダー錠の二重鍵構造イメージ

2.群馬県 県土木整備部の電線共同溝整備マニュアル

無電柱化を積極的に推進している群馬県 県土木整備部様の電線共同溝整備マニュアルは、最先端のマニュアルとして定評があります。自治体があまりセキュリティについて検討されないなかにあって、8年も前の2012年より、施錠の構造に「特殊部の鉄蓋は、安全対策として施錠できる構造とし、シリンダー錠を設ける」とし、セキュリティの重要性を認識され、対策を施しています。また、既設のシリンダー錠に対応していない旧タイプ鋳鉄蓋についても、蓋を交換せず既存のままでも低コストでセキュリティを高め、新設のシリンダー錠とも鍵の互換性を持たせた製品が盛り込まれています。セキュリティと利便性、コストのバランスを上手に取られている電線共同溝のマニュアルは、全国でも類を見ません。

旧タイプと新タイプの鋳鉄蓋イメージ

3.タキゲンの展望

無電柱化事業が推進されセキュリティ対策が講じられていけば、各所でのシリンダー錠の管理が懸念されます。弊社は2003年よりシリンダー錠『サイドバー式ディスクシリンダー錠』や『ヘキサロックシリンダー錠』を約8万個以上納入していますが、シリンダー錠の設置や管理については官公庁が行っています。国道の移管に伴い、シリンダー錠の管理についても引渡されているのにもかかわらず、移管先でシリンダー錠自体の認識が無いケースも見受けられます。このような状況にあると、電線共同溝の蓋を開ける際に、解錠方法やどこのメーカーに確認したらよいか分からないといった様々な不都合が生じてきます。弊社では、こうした問題の解決策として、弊社シリンダー錠が取付けられている箇所の現況把握に取組んでいます。電線共同溝の新設工事や維持管理、国道の移管など、各事業所でシリンダー錠を管理するにあたって問題となる鍵の煩雑化や不確実性が解消できると考えます。

タキゲン製シリンダー錠

C-1006
ヘキサロックシリンダー錠

4.セキュリティ対策にプラスワン

セキュリティ対策が検討されていくなかで、現場調査をされた方々から「鉄蓋のロックがかかっていないことがある」という話をよく聞きます。施錠忘れを防止する対策として、弊社は『施錠忘れ防止機能付き鉄蓋ロック装置』をご提案します。目視だとロックの施解錠の状態は分かりにくく、またシリンダー錠が設置されていてもロックがかかっていないと蓋を開けられてしまう恐れがあります。シリンダー錠を設置しているのにもかかわらず正しく運用されていないことで、セキュリティレベルが格段に落ちてしまいます。施錠忘れ防止機能付きロック装置とシリンダー錠を組合せることで、セキュリティレベルの維持とヒューマンエラー防止に繋がります。セキュリティ対策に合せて、ロック装置についてもぜひご検討ください。

シリンダー錠対応型 施錠忘れ防止機能付き 鉄蓋ロック装置

無電柱化事業に関連するタキゲン製品をご紹介します。

エクスチェンジセパレート IMロック C-1471-EX-SP-IM

セパレート方式により仕様変更が容易に行えます。
共通部品のため余分な完成品が不要。製品管理が容易になります。また在庫スペースの削減になります。
短納期対応が可能です。
M24(細目)吊上げねじ付き。

小型ボックス用ロック装置

低コスト手法の小型ボックス用ロック装置。
コンクリート蓋にローターをインサートして使用します。
90°回転で施解錠。
Eリングで抜け止めを防止します。
地域や用途に応じて頭部の形状が変更できます。

空管路簡易止水栓

電線共同溝や情報ボックスの空き管路に泥が侵入するのを防ぎます。
工具不要で簡単に着脱できます。
難燃材を使用。