「無電柱化」の取組みにタキゲンができること
全国初の低コスト無電柱化方式モデル「ウエルネスタウンみつけ」にサイドバー式ディスクシリンダー錠が採用されました。
無電柱化とは・・・
「無電柱化」とは端的に言えば、電柱を無くすことです。日本には約3,500万本の電柱があるとされており、これは桜の木とほぼ同じ数になります。この数多くある電柱が景観を阻害したり、人の往来する通行空間を妨げたり、震災時に倒壊し二次被害及び緊急車輌の通行を妨害したりする等の問題を生じさせています。このような状況を打開するため、平成28年末、「無電柱化推進法」が可決されました。無電柱化推進法は「道路の新設・拡幅時に電柱の新設を原則として禁止する」とし、全国で毎年約7万本増えている電柱の新設にストップをかけました。
無電柱化事業は、昭和61年度から3期の「電線類地中化計画」、平成11~15年度の「新電線類地中化計画」、平成16~20年度の「無電柱化推進計画」に基づき整備が行われ、平成21年~現在は、「無電柱化に係るガイドライン」に沿って進められていますが、最も無電柱化が進んでいる東京23区でも7%(国土交通省調べによる2013年度末の状況)と低い水準に留まっています。海外ではヨーロッパの主要都市であるロンドンやパリが100%、アジア主要都市のシンガポールや台北なども9割を超しています。日本と海外では無電柱化に関する歴史的な背景や手法が異なるため、難しいところではありますが、海外に比べ大きく遅れをとっているのが実状です。
日本で無電柱化が進まない最大の要因はコストにあります。地下に共同溝を設けて電線や通信ケーブルを通す電線共同溝方式(C.C.BOX)では、1km当たりの土木工事費用は3.5億円程(※)、この他に電気設備(トランス、ケーブル)工事が1.8億円程かかりますのでトータルコストは約5.3億にもなります。これは電柱を設置する場合の20倍以上のコストになり、大きな負担となっています。市街地であれば、コストを抑えた軒下配線や裏配線といった手法なども取り入れてはいますが、近隣住人との合意形成、電線類の保安、災害の観点からの問題があり、主たる手法には成り得ていません。
政府は無電柱化を推進する上で、足枷になっている高額な整備費用を抑えるために「無電柱化低コスト手法技術検討委員会」を平成26年9月に設立し、「直接埋設」「小型ボックス活用埋設」「管路の浅層埋設」などの検討を始めています。
「ウエルネスタウンみつけ」にタキゲン製品が採用
新潟県見附市の「ウエルネスタウンみつけ」(柳橋町地内に造成を計画している住宅地の名称)に於いて、全国初の低コスト無電柱化方式によるモデル施工が実施されており、全国的に注目度が高くなっています
「住んでいるだけで健幸になるまち」をコンセプトに、日経BP社のプロジェクトエコー・シティの具体例第1号として、無電柱化や水辺空間などが整備された先進的な住宅地であり、その中で当社の「サイドバー式ディスクシリンダー錠(C-1412)P.10」が電線共同溝用鉄蓋の鍵としてご採用いただきました。
また、低コスト手法は全国各地で検討されており、当社は低コスト手法の一つである「小型ボックス活用方式」に使用できる製品「小型ボックス用特殊吊金具」の開発を行っています。
無電柱化手法と費用
- 軒下配線・・・建物の軒下に電線類を配線して建物を電柱の代わりとして配線する手法
- 裏配線・・・表通りから見えないように配線する手法
- 直接埋設・・・管路を用いず地中に直接電線類を埋設する手法
- 小型ボックス活用埋設・・・電線類同士の感覚を縮めて収容した箱状の構造物を地中に埋設する手法
- 管路の浅層埋設・・・管路を現行より浅い位置に埋設する手法
※日本:約3億5,000万円、英国:約6,000万円、
フランス:約1,600万円、インドネシア:約1,075万円
(土木工事費用のみ)
・日本は電線共同溝方式が主流、海外は直接埋設方式が主流
・日本では直接埋設方式の実績がない
無電柱化のメリット
- 道路の防災性向上
- 通行空間の安全性の確保
- 景観の向上
無電柱化のデメリット
- コストがかかる
- 断線した時の復旧時間
(架空線に比べ、断線する割合は低い)
11月10日は無電柱化の日
これは111を電柱に見立て、その電柱0本にするといった意味合いから11月10日になったそうです。
小型ボックス用特殊吊金具
地上機器枡から小型BOXの蓋を全て開けると手間になります。
分岐箇所に開けることができる蓋を設置し、その蓋にセキュリティを
持たすことができれば全ての蓋を開ける必要が無くなります。
展示会のご案内
タキゲンは東京ビッグサイトで開催される、無電柱化推進展に出展致します。是非ご来場ください。
開催日:2017年7月19日(水)~7月21日(金)
展示会場:東京ビッグサイト
小間位置:東5ホール No.5B-37
http://www.jma.or.jp/bunka/outline/nodenchu.html