これからリサイクルが始まる医療機器の国内市場は、2兆7,000億円

医療用の機器は使い捨てが当たり前になっています。かつて注射針が使い捨てになる前には、同じ針を複数の患者に使うことで感染症にかかることもありました。しかし、医療機器の中には、一度の使用で廃棄するには高額でもったいないものもあります。そうした「単回使用医療機器」のリサイクルを可能にする仕組みを、昨年、厚生労働省が導入しました。これからは企業が機器を回収し、分解して洗浄、滅菌などの工程をへて再製造できるようになります。価格も新品の5〜7割程度になるだろうと言われています。

医療用機器の国内市場は、約2兆7,000億円。そのうち約1兆5,000億円を、使い捨てにされている「単回使用医療機器」が占めています。今後リサイクルが進めば、資源の節約になるだけでなく、医療費の削減にもつながっていきます。

薬も、いまは余った分は廃棄されていますが、開封後も外部の空気や雑菌が入らない閉鎖式の器具を使って保存し、他の患者に投与することが検討されています。もちろん安全性が最優先ですが、国民医療費が41兆円を超える時代には必要な試みでしょう。