タキゲンの物流業界への取組み
物流業界の課題「物流危機」
物流は日々の生活を支える重要な社会インフラであり、必要な時に必要な所で「モノ」を入手するためには安定していることが不可欠です。
近年はネット通販のめざましい発展により、ほしいものが簡単に注文でき、それが手元に届くまでに2~3日とかかりません。
そしてそれらを支えているのは、輸送ドライバーや宅配配達員などの「人」です。しかし、この利便性の高い物流にこのままでは危機が訪れることが予想されております。その要因としては、
① 働き方改革関連法による時間外労働の上限規制
② 労働人口減少による人手不足
の2つが挙げられます。
まず、働き方改革関連法により、自動車運転業務の時間外労働時間の上限規制が2024年4月から適用され、これにより運搬や集配を行うドライバーの残業時間に具体的な上限が設けられます。いわゆる「2024年問題」です。
次に、物流危機をもたらす要因として、労働人口の減少が挙げられます。とある試算では、2023年の労働供給人口は、需要に対し600万人不足すると予想されています。現時点でも自動車運転の職業に関する有効求人倍率は産業全体の求人率より高い水準にあり、今後は労働人口の減少により、さらに人手不足が深刻化していきます。
タキゲンの取組み
弊社は今年の3月に「次世代製品プロジェクト」チームを創設し、物流業界へのソリューションに取組むことが1つのテーマとなっております。前述した物流危機を解決する取組みとして、今年6月に閣議決定された「総合物流施策大網(2021年度~2025年度)」に自動化・機械化の導入に向けた無人搬送車(AGV)や搬送ロボットの活用及びそれらの環境整備が述べられており、AGVやロボットに使用できる製品の開発を始めました。
AGVに使用される代表的な製品として、「駆動輪 K-35-GSA」を新製品として7月にリリースしました。最小径φ100~最大径φ355までの計10種類をラインアップしており、多様なAGVに対し適切な駆動輪を提供できる体制を整えました。駆動軸との締結方法としては、キー溝を標準仕様としておりますが、フランジ取付けやメカロック取付けなどの特注品もお客様のご要望に沿って対応可能です。
AGVの駆動輪
また、日本という狭い環境において機動性の高い搬送ロボットが市場では多く求められております。そこで、全方位移動可能な「メカナム車輪K-1777」を鋭意開発中です。メカナム車輪を使用することで前後移動や旋回に加え、一般的なロボットでは再現できない左右や斜めへの移動など、360度どこへでも移動することができる高い機動性をもったロボットを生み出すことができます。
ロボット用車輪
このように、弊社は従来から培ってきた技術力や対応力を駆使し、物流の支えとなる製品を多く提供することを目標としております。
物流を通じた社会貢献へ
物流という社会インフラには、必ず二酸化炭素の排出が行われます。弊社は脱炭素社会を目指す取組みとして、再配達による余計な二酸化炭素の排出を防ぐための「宅配ボックス用ラッチ錠」や配送用電気自動車の推進を促す「充電コネクタ用ホルダー及び充電設備向けの金具」など、既に多くの製品を生み出し社会貢献を果たしております。産業機器用金具の開発及び販売を中心に発展した当社でありますが、現在は多岐にわたる分野への製品を取扱っております。今後もパイオニア精神を持って、物流業界でお役に立てる製品開発を進めてまいります。ご要望などがございましたら、ぜひタキゲンへお声がけください。
宅配ボックス用ラッチ錠
充電コネクタ用ホルダー