タキゲンのSDGs配慮製品が誕生!バイオポリカ製取手

バイオポリカを採用した取手の販売を開始いたしました。タキゲンのSDGsの取組みや開発に至った経緯についてクローズアップします。
タキゲンSDGs推進委員長インタビュー

タキゲンのSDGsの取組みについて
SDGsの目的は、誰もが平等に暮らし続けられる持続可能な社会をつくることです。
これはタキゲンが創業当初から掲げている「勤(はたら)く目的」と近いものがあり、一企業としても共通の課題として取組む必要があると感じています。
SDGsの目的にある「誰もが平等に」を具現化するため、社内の各課から招集したチームを発足して、会社全体でSDGsを推進しております。タキゲンは産業用金物の総合メーカーで、100年に及ぶ歴史で培ってきたモノづくりが得意分野です。モノづくりの企業としてあらゆる業界のニーズに応え課題を解決することで、誰もが安心して暮らせる社会づくりに貢献することをSDGsの目的に掲げました。
製品開発の他にも人材の育成、資源保護、地域貢献を加えた4本の柱を軸にし、2030年の目標達成に向けて努力してまいります。
新素材 バイオポリカに着目
はじめに、SDGs活動の製品開発の足掛かりとして、資源保護を兼ねてバイオ系樹脂材料による取手の製品化検証を開始しました。
当初は自然保護の観点から、植物や農業廃棄物由来の生分解性プラスチックで試作を行いましたが、材料によっては表面がへこむなど形状が安定しませんでした。また、取手が付く装置によっては屋外での使用もあるため、強度や耐久性に懸念が残りました。
対してバイオポリカは生分解性ではないものの、強度を含めた機械的性質は従来材料と同等以上の性能を有しており、使い勝手に関して今までと変わらず扱えます。また、装置の外殻は鉄板など金属で作られることが多く、取手だけ生分解性であっても大きなメリットは無いと判断し、バイオポリカの採用に至りました。
タキゲンで採用したバイオポリカは植物由来の原料を用いて作られているため、枯渇資源である石油の消費量を削減でき、さらに原料である植物が成長過程で二酸化炭素を吸収するため、温室効果ガスの低減にも貢献できる材料です。
意匠面、耐薬品性、耐候性など非常にバランスの取れた性質を有していることから、自動車業界では2014年から内外装で採用されています。
実績として、自動車業界はもとより、携帯や時計などのあらゆる分野で高い評価を得られており、産業用の部品として安心して使用することができます。
取手の成型に関しても、既存の金型や成形機の継続使用ができるので、設備変更が不要で初期投資を抑えることができます。
デメリットを挙げるならば、価格です。特に従来の樹脂取手は広く流通している汎用プラスチックを採用しているためコストパフォーマンスが良く、また樹脂単体製品で成型後に組立てなどの工程も無いことから、材料費の差が販売価格に大きく影響します。実際に価格アップは避けられませんが、成型数量を増やすなどの対応で極力価格差を抑えています。
熱的性質もデメリットの一つと言われています。確かに耐熱性は従来のエンプラより低い傾向がみられますが、汎用プラスチックとの比較では同等以上で、特別な環境で使わなければ問題はありません。
また、色はピアノブラックを採用しました。非常に発色が良く、シボ面とのコントラストも鮮やかです。取手は装置に対しては小さな部品の一つではありますが、ユーザー様が手で触れ目に付きやすい部分です。新しいバイオポリカ取手が装置の高級感に一役買えるのではないかと期待しています。

地球環境にやさしい部品を製品化
炭素循環に貢献できる製品としてバイオポリカを採用することが決まりましたが、次に、実際に製品化するにあたり、これまでにない新製品を立ち上げるか、既存品の材料変更をトライするのか検討を行いました。
SDGsへの取組みとして考えた場合、環境配慮型製品を早く普及させることが重要ですが、新製品では販売が安定するまで時間がかかります。そこで、既存品の材料変更から進めることとしました。
バイオポリカでは、ABS系製品の金型をそのまま使用できることを確認しております。ABSは汎用プラスチックとして広く使われている材料で、タキゲンでも取手やつまみなど様々な製品を作ってきたノウハウがあり、ご希望の形状や機能を形にすることができます。バイオポリカ以外の材料に関しても、生分解性がご要望であれば、それに合せた形状を考え製品化することもできます。タキゲンは「ないモノは創ればいい」をモットーに、お客様のご要望を具現化してきました。まずは全国にあるタキゲン直販店へどんなことでもご相談ください。一緒に協力開発させていただきます。

バイオエンプラをご存知ですか?
バイオエンジニアリングプラスチックの略で、バイオポリカはその一種。植物由来原料を使用し、石油資源の使用量削減やCO2排出量の抑制、無塗装によるVOC(揮発性有機化合物)の削減など、環境負荷の低減に貢献できる材料として注目を集めています。
今後の展望
バイオポリカと汎用プラスチックでは材料費に差があるので、樹脂成型単体の取手では販売価格の差を埋めるのが困難です。自動車業界では、バイオポリカの意匠性を活かし塗装工程をなくすことで、トータルの生産コストを削減しています。
タキゲンとしても、金属塗装ハンドルの置換えとしてバイオポリカを採用できれば、コスト面にも優れた環境配慮型製品ができると考えております。
世界規模でSDGsへの取組みが進んでおりますが、それにコストがかかり過ぎるようでは普及するのに時間を要します。弊社は産業用金物の総合メーカーとして、機能とコストを両立させた環境配慮型製品の開発にトライしていきます。
バイオポリカ製品のご案内
環境に配慮した、植物由来の新素材「バイオポリカ」を使用した製品をご紹介
- 環境に配慮したバイオ樹脂取手
- 植物由来のバイオポリカ材を使用。
- 石油の消費量を削減し、さらに植物原料が成長過程で二酸化炭素を吸収。温室効果ガスの低減に貢献します。
- 寸法と強度は従来品と同等です。筐体設計を変更せず、カーボンニュートラルの実現に向けた取組みができます。
【仕様】
●材質:バイオポリカーボネート樹脂
●標準色:ブラック
【用途】
●環境配慮型機器、事務機器、計測機器
【納期】
●標準品…納期お問合せください
【備考】
●常温でご使用ください。
●緩み防止剤等、溶剤を使用する際は十分に検証を行ってください。
- 取付けがワンタッチ
- パネル表面の出っ張りが少なく邪魔になりません。
- 小型の扉や引出しに