[タキゲンと半導体]半導体業界の今

デジタル社会を支える半導体。
情報技術の発展や電子機器の需要増加により、世界で飛躍的な成長を続けています。日本国内においては半導体製造基盤の確保・強化に向けて2021年6月に国策が掲げられました。
タキゲンは半導体製造装置向けの製品を開発し、目まぐるしい進化を遂げる半導体産業を支えています。
盛り上がりを見せる半導体業界の動向とタキゲンの取組みをレポートします。

高まる半導体需要

2019年頃から世界に大きく影を落とした新型コロナウイルスは依然、終息をみせずに様々な産業に経済的な悪影響をもたらしています。

そんな中、半導体業界は好調で、政府の国家プロジェクトとしても、官民が一丸となって半導体製造の強化に取組み始めています。

国内半導体製造工場の設備投資や規模拡大で製造装置の需要も高まっており、5Gなどの情報通信や工場の自動化、自動車の半導体需要増、データセンター増設もあり、半導体需要は増々の好調具合が見込まれています。

追い込まれた日本の半導体産業

日本の半導体製造については、現状は世界3位、世界市場ではシェア6%という位置付けですが、80年代後半は、日本が世界の半導体市場の約50%を占めていました。

メインフレームやブラウン管テレビ、VTR、CDプレーヤーなど、半導体を必要とする電子機器市場において、日本企業が圧倒的に強く、国内半導体市場の90%以上を、日本製の半導体が占めていた時代もありました。

しかしながら、1991年に制定された日米半導体新協定によって、日本の半導体市場における外国製半導体のシェアを20%以上に高めるという政府からの通達を受け、外国製半導体を顧客に売り込まざるを得なくなりました。

日本メーカーによるダンピングを防止する手段として導入されたのが、FMV(公正市場価格:Fair Market Value)です。

FMVとは、日本メーカーが提出した製造コストのデータなどを基に、米国政府が独自の基準で算定した日本製半導体のメーカー毎の公正な販売価格を指し、日本メーカーは当時、FMVを下回る価格でDRAMなどの半導体製品を販売することを禁じられました。これに反する行為は、ダンピングとみなされたためです。

これにより、日本の半導体産業は大きく競争力を削がれてシェアを落とし、半導体産業が弱体化。日本のエレクトロニクス産業に影響を及ぼしたのは言うまでもありません。

世界をリードする日本の半導体製造装置

しかし悪い話ばかりではありません。実際、日本の半導体産業はシェアを大きく落としていますが、その反面、半導体材料や半導体製造装置の分野では、日本の材料や装置が無くては生産ができないと言われるほどの存在感を示しています。

2020年の世界の半導体製造装置メーカー売上高ランキングトップ15(米VLSIresearch調べ)では、日本の装置メーカー7社がランクインし、生産の各工程における材料や機器でも半数以上のシェアを占める企業が多数あります。

現在、日本の半導体の需要は大きく落ちましたが、材料や製造装置においてはトップクラスと言えます。

第4次産業革命とコロナ禍が生んだ需要

2011年にドイツ工学アカデミーで発表され、ドイツ連邦政府がトップダウンで始めた、インターネットを介して、機械、デバイス、センサーおよび人間が相互に接続し、通信を行う第4次産業革命 インダストリー4・0がスタートして以来、情報通信やIoT、AI、ロボット、自動化などに、産業のコメと言われる半導体が必要不可欠な時代に突入しました。

その後、新型コロナウイルスの影響により在宅勤務が余儀なくされ、パソコンの売行きが好調となり、巣ごもり需要によるゲーム機の売行きや通信トラフィック拡大によるデータセンター拡張などによって半導体需要が飛躍的に伸びています。

さらに、昨今のパンデミックにより生産の遅滞が生じ、需要の増加と相まって、自動車業界では減産を行うなど、深刻な半導体不足となっています。需給の逼迫が私たちの生活にも影響を与え始めています。

日本の半導体を国策が後押し

昨今の半導体事情を鑑み、経済産業省は2021年6月、半導体産業やデジタル産業を国家戦略として公開し、先端ロジック半導体の量産化に向けた生産専門企業ファウンドリの国内誘致推進などの戦略を発表しました。

デジタル化の進展、世界的な半導体需要の逼迫、2050年のカーボンニュートラル化へ向けた取組みなど、半導体の確保が経済安全保障の観点から国家戦略として重要であることから、国内の半導体製造基盤の確保と強化を進めると共に、海外の先端ファウンドリの誘致を通じた日本企業との共同開発、生産、供給力を高めるための半導体工場の刷新など、様々な業界支援を進めていく計画です。

既にその動きは出始めており、弊社としても業界の大きな潮目を感じています。

半導体製造の現場にタキゲン製品を

弊社は産業用ハードウェアの総合メーカーとして、「半導体製造装置」の国際的なガイドライン、SEMI規格に準拠した製品や粉塵の発生を抑制するパーティクル対策品、扉を均一に締込む多機能蝶番など、数多くの製品を開発・販売してまいりました。

日本では1985年にSEMI Japanが設⽴、その後、ヨーロッパをはじめアジア各地でも設⽴されました。時代の流れとともにSEMI規格は改定され続け、複数の項⽬に分かれましたが、その中でも弊社はSEMI S8「半導体製造装置の⼈間⼯学エンジニアリングに対する安全ガイドライン」に準拠した製品を取扱っています。

改定の頻度は不定期ですが、S8に関しては直近で2015年、2016年、2018年と⾏われ、特に2015年ではハンドル⼨法の⼤幅な改定がありました。弊社は常に新規格や改定に合せた製品を開発しています。

産業のコメと言われている半導体はあらゆる産業で必要不可欠になり、今後もさらなる需要を生み出し躍進していきますので、弊社としてもお客様のニーズにお応えできるような製品創りを行ってまいります。

他には類を見ないラインナップのタキゲンオリジナル製品を今後もご愛用ください。

(技術営業部 情報営業課 瀧源)

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