点滴チューブはもう絡まない!チューブセパレーター CP-940

点滴チューブの整理ができ、絡まりを予防する製品です。臨床工学技士様のご要望から開発しました。

チューブセパレーターを使用することでこんなに違うんです

  1. 点滴チューブが絡まりやすい。チューブを交換するときや患者さんをストレッチャーに乗せ替えるときに時間がかかる。
  2. 三方活栓(さんぽうかっせん)はベッドにそのまま置くか、ベッド柵にガーゼやテープで固定していたが、落下しやすく薬剤の流量の変化で患者さんへの負担が大きくなる。
  3. 患者さんが激しく動くと抜針しやすい。
  1. 点滴チューブをスリットに挟むだけで、絡まりを予防。チューブを解く手間を解消。
  2. 面ファスナーで脱着できる。簡単に脱着できるが三方活栓の自重は保持し、不意の落下を予防。
  3. 患者さんが激しく動いても面ファスナーから外れるため、事故抜針を防止。
  4. 樹脂製で金属不使用。MRIなど検査時も使用可能。

ベッド周りの医療安全に

ー開発のきっかけ

岡山大学病院の臨床工学技士様から、患者さんに投薬している点滴チューブが絡まることを防ぎたいとのご要望をいただきました。

手術後の患者さんは、点滴チューブと繋がった三方活栓(さんぽうかっせん)(薬液の流路を調節するためのコック)を通して、手・足・首などの血管へ薬液が投与されます。点滴チューブが絡まっていると、例えば患者さんをストレッチャーで移動させる際に、看護師がチューブの絡まりを解くのに時間がかかってしまいます。また、チューブに異常が生じると薬の流量変化がおき、患者さんへの負担が大きくなるという問題がありました。そこで、点滴チューブをまとめることができて、薬液の流量変化が起きない部品を共同開発しました。


ー工夫したポイント

医療の現場で使用されるため、安全面を考えて設計しました。

点滴チューブを挟んで保持する圧力と、薬液量が変化しない圧力を調整するため、様々な種類の点滴チューブに合うスリット形状と、点滴チューブを潰さない硬さのスポンジ素材を何度も試して選定しました。二つの条件を両立させるために、素材はポリエチレン製でチューブを潰さない硬さにして、内部に補強パーツを入れることで、保持力を高める工夫をしました。

薬液量が変化しない圧力調整の他にも、丁度よい接着力の面ファスナーを裏面に付けることで、患者さんの体が大きく動いたときには本製品ごと三方活栓がベッドから外れるようにして、事故抜針を防げるようになっています。

また、患者さんの皮膚と擦れて怪我をしないようスポンジ素材を使いましたが、色は寒色系を採用し、血液や薬液が付着した際に視認しやすくしました。製品には金属を使用していないため、MRI検査などでもお使いいただけます。

他の病院施設でも同様のお悩みを抱えているという声をお聞きしますので、ぜひチューブセパレーターをお試しください。

本製品を岡山大学病院様で実証していただき、看護師さんより、ベッド柵やベッド上の点滴チューブが整理されて絡まりが減少し、大変便利と好評をいただけました。2024年5月に開催された日本臨床工学会にて、医工連携Awardベストデベロップメント賞を受賞しました。ご協力いただきました岡山大学病院様には感謝申し上げます。


製品情報

チューブセパレーター CP-940(共同開発 岡山大学病院)

点滴チューブはもう絡まない!
●ベッド柵などに固定することで、患者様付近の混乱したチューブ状態を整理できます。
●三方活栓の落下にも耐えられる保持力です。
●金属不使用でMRIなどに使用可能です。
●面ファスナーによる固定で工具不要です。
●面ファスナーには粘着剤が付いているため、そのまま使用できます。

仕様
●材質:
 硬質スポンジ/ポリエチレン(PE)
 補強パーツ/ポリエチレン(PE)
 面ファスナー/ポリエステル(PEs)

用途
●点滴チューブなどの簡易保持
●長期間使用すると保持力が弱まるため、三方活栓及びチューブを交換する際に同時交換してください。

備考
●推奨チューブの外径はφ2~3mmです。それ以外のサイズの使用は十分な検証を行い判断してください。

使用例