昨年秋に発生した南極オゾンホールの最大面積は1990年以降最小「約1,100万km2


オゾン層を破壊するフロンを規制したモントリオール議定書は環境に関する条約では最も成功していると言われますが、その議定書の効果が発揮されたのでしょうか、2019年の南極オゾンホールは過去30余年の歴史で最も規模が小さい1,100万km2でした。2018年が2,460万km2ですから半分以下になったわけで、気象庁では大気中のフロン濃度の減少だけでなく、南極上空の温度が高かったことも影響したと見ています。

南極上空の成層圏でオゾンの全量が異常に減ることが最初に発表されたのは1983年で、その年のオゾンホールの規模は1,220万km2でした。90年代に入ると大規模なオゾンホールが継続的に現れはじめ、2000年には過去最大の2,960万km2を記録しています。南極大陸(約1,400万km2)の2倍以上の規模でした。ちなみに日本の国土面積は約38万km2です。

そのオゾンホールが縮小傾向にあります。1990〜99年の平均は2,471万km2でしたが、2010〜19年は2,199万km2で、17年と19年には2,000万km2を割り込みました。NASAは今世紀の末には解決すると言っていますが、一度破壊された自然が回復するには長い時間がかかることを改めて痛感させられます。