[第24回/香川県]小さなうどん県の 大きな魅力と多彩さ
瀬戸内海に面した日本一小さい県は、名実ともにうどん県を宣言するが、実はそれだけではない多彩な魅力を発信し続けるのが香川県。小さな県の大きな実力が世界を呼びます。
日本一小さい県でも…
瀬戸内海に面し、四国の北東部に位置する香川県。海を挟んで北を岡山県、東と南を徳島県、西を愛媛県と接し、小豆島をはじめ瀬戸内海に点在する島々をもちます。本州四国を結ぶ瀬戸大橋(道路・鉄道併用2層構造)がいくつかの島を経て岡山に架かります。
日本一面積の小さい県ですが、県庁所在地の高松市には四国の行政を司る各種官庁や高等裁判所(日本に8つ)などがあり、レベルの高いコンパクトシティとして全国に知られています。高松市の中心部から高松空港へのアクセスは30分。羽田、成田、沖縄間の定期便や韓国、中国、台湾などの国際線路線も就航しています。
文化面では3年に1度、瀬戸内の島々で開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術際」が国際的にも注目を集めています。
県のホームページには、「うどん県 それだけじゃない香川県」と他の良さをPR。都道府県別順位でユニークなものは「世帯主小遣い」が日本一です(2016年)。
トップ企業の集積で高度な基礎技術
産業では日本トップクラスの建設機械、造船、自動車部品、電気機械などの関連企業が立地し、これを背景に金属加工、金型、溶接の基礎技術も高度に発達。臨海工業地の化学、石油、石炭、非鉄金属などの産業や、食品関連産業も盛んで、特に冷凍調理食品の出荷額は全国1位です。農産物ではオリーブとマーガレットの生産量、製造ではうちわ・扇子とスポーツ用革手袋の出荷額がともに日本一です(平成26年度)。
産業別構成比は、第1次産業1.2 %(全国平均約1.2%)、第2次産業24.4%(約24.7%)、第3次産業74.5%(約74.3%)となっています。
[データは平成26年度/香川県政策部統計調査課]
紅葉と文化の名所ぞろい
季節は秋。香川県の紅葉スポットは、日本三大渓谷美のひとつである小豆島の寒霞渓(かんかけい)。ロープウェイからの空中散歩で体験するパノラマは圧巻です。続いて、国の特別名勝指定庭園の中で最大の栗林(りつりん)公園も必見。江戸時代初期の回遊式大名庭園として知られ、11月末からのライトアップで見る紅葉は格別の趣です。ミシュランガイド(観光版)の三つ星指定や映画のロケ地でも有名です。
他にも金刀比羅(ことひら)宮の広い樹林や、遍路第88番札所の大窪寺の静かな佇まいでの鑑賞もおススメです。
海の観光では「エンジェルロード(天使の散歩道)」。1日に2回の干潮時に、海面から現れる砂の道を歩くロマンチックな体験が評判です。他にも源平合戦の古戦場である屋島も瀬戸内の景勝地で、特に「獅子の霊巌」からの高松の夜景は美しいです。
アートでは世界的な彫刻家、イサム・ノグチの制作拠点がイサム・ノグチ庭園美術館として開設され、その才能と業績に触れられます.
食では讃岐うどんの本場ですが、ご当地グルメとして人気なのが「骨付鳥」。まるごと1本の骨付きをオーブン釜で焼き上げ、皮はパリッと、肉はジューシー、味付けがスパイシーで大好評です。有益な情報収集には、香川県観光協会の「うどん県旅ネット」にアクセスを!