
1900年以降に上昇した北極圏の年間平均気温、3.5℃
北緯66度33分より北の地域を北極圏と呼びますが、この地域の温暖化が他地域の倍のスピードで進み、陸地の年間平均気温が1900年以降に3.5℃上昇したことが、アメリカ海洋大気庁(NOAA)のまとめた報告書「北極圏報告カード」で明らかになりました。
同報告書によると、北極圏にあるアメリカ地域では昨年春季の積雪量が史上最低を記録し、5月の積雪面積は1967年以来初めて400万㎢を下回っています。また、2016年10月中旬〜11月下旬の北極圏の海氷域の最小面積も1979年以降で最低となりました。同時に氷も薄くなり、1985年には45%を占めていた多年氷(夏にも解けず次の冬まで残る氷)が現在では22%にまで減少しているといいます。
北極海の海氷が解けると、北極海航路が開発される。北極海に眠る未発見の資源の開発が可能になる。良好な漁場である沿岸部の漁業にとっても可能性が広がる、などプラス面も指摘されていますが、北極圏の温暖化が大気の循環などを通じて地球全体の気候変動に大きな影響を与える可能性があり、急速な北極圏の温暖化に世界は警戒しています。