日本の産業や文化の発展を支える最新の技術を紹介するコーナーです。

機能性を持たせた刃物「ファイリー®刃」

被切断物に最適な刃をナノレベルで創り出す技術により、2次工程が不要となる理想の切れ味を実現。切断加工の生産プロセス短縮で大幅な生産性向上を可能にしました。

切断面の2次工程に大きな時間と手間

モノづくりの現場では、「切る」作業と、被切断物の種類が無数といえるほど存在します。しかし、被切断物の形状や材質などは多種多様にあるにもかかわらず、多くの現場では量産された汎用的な刃物が利用されています。

汎用的な刃物で切断すると、切断面にバリやヒゲ、クラックといった品質課題が発生するため、切断後に断面の磨き、洗浄、乾燥という2次工程を経て、必要な切断品質に仕上げます。生産工程では切断そのものより2次工程が重要視され、時間と手間がかかっています。

ナノレベルで調整した超硬合金素材による高精度刃物を開発

2次工程が必要な原因は、被切断物それぞれには固有の特徴があるにもかかわらず、刃先形状がフィットしていないことにあります。

ファインテック社の「ファイリー®刃」は、被切断物に合せて刃先形状や角度をナノレベルで最適化。完全オーダーメイドの刃物を作り上げることで、2次工程が不要な「最高の切断品質」を実現します。

また、難加工材である超硬合金素材をナノレベルで加工できる技術により、切れ味と長寿命によるコストダウンを両立します。

「切断革命」で既成概念を覆す劇的な生産性向上を実現

「ファイリー®刃」はバリやヒゲ、ごみなどを出さずに一回で綺麗な切断面を作れるなど、切断面の課題を解決できる機能性を有しているため、生産プロセスを短縮でき、劇的な生産性向上を可能にしました。

「切断革命」と呼ばれる同技術は、高い精度が求められる高機能フィルム、高機能繊維、リチウムイオン電池のアルミ箔、タイヤ、ゴム、さらには医学や医療用にも需要が高まるなど、切断品質のニーズを持つあらゆる産業分野に波及しています。