地球で一番CO2の影響を受けにくい南極点で観測した濃度 400ppm

2016年5月23日、南極点において大気中の二酸化炭素(CO2)の濃度が400ppmに達したとアメリカ海洋大気庁(NOAA)が報告しました。これは過去400万年で初めてのことです。南極点は、化石燃料の消費によって排出されるCO2の影響が、地球上でもっとも及びにくいと言われている場所ですが、そこでもついに400ppmを観測しました。

2015年の地球全体の平均CO2濃度は399ppmで、2016年には400ppmを突破することは確実視されています。世界平均が400ppmを超えれば、植物が光合成によりCO2を吸収する北半球の夏季でも400ppmを下回らなくなる可能性があります。さらに南極点で400ppmを超えたとなると、今後少なくとも50年以上の間はCO2濃度が400ppmを下回ることはないであろうと予測されています。

一度大気中に放出された物質が容易に減少しないことは、フロンをみても分かります。CO2濃度が400ppmを超えれば、その影響で世界の気候変動が一層進み、温暖化はもちろん台風の大型化など異常気象の増加も考えられます。それらを止めることが無理となれば、被害をどう軽減させるか。世界はその対策を求められる段階へときたようです。