1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。

人材の育成の基本は支店経営にある

私は人材の育成の基本は支店経営にあると思っています。

今、ここにいる支店長たちは自分の胸に手を当てて考えてみればわかると思います。

支店長になると人物が3倍くらい大きくなります。今まで使われていた、それが今度は人を使う立場になるということは、責任はもちろん、何から何まで大変なものです。また勉強もたくさんしなければならない。自分自身の心も鍛えなければならない。いろいろな問題はあるけれども、人物は大きくなっているはずです。

そういう人間的な成長が人材の育成です。それは支店を任せないとできないことです。

50年、100年先のタキゲンを考えたら、企業は人なりで人材の育成が基本です。その意味で、経費は掛かっても、支店経営というのは非常に重要なことだと思います。

私は景気が悪くてみんなが弱気になっているときに、ある程度支店を増設して進出する計画です。みんなが縮こまっているときに伸びようと―、一歩前に出ようと―。

これが、5年、10年先のタキゲンのために必要な布石ではないかなと思っています。

(1998年5月 経営会議レポートより)