2016年に発生した南極オゾンホールの最大面積、2,270万㎢

オゾンホール

2016年の南極オゾンホールは9月下旬に最大面積が2,270万㎢にまで拡大し、過去10年間の平均値と同じ程度の規模で発生したと言えば、驚かれるでしょうか?
しかも、2015年のオゾンホールは史上4番目に大きい2,780万㎢という巨大なものでした。

少し復習をしましょう。南極上空のオゾンが南半球の春ごろ(8〜9月)に急激に減少することは1980年代の初めから報告され、1989年以降はずっと2,000万㎢を超す巨大なオゾンホールが発生しました。南極大陸の面積は約1,400万㎢ですから1.5倍ほどです。

しかし、1987年のモントリオール議定書でフロンなどオゾン層を破壊する物質の削減と廃止が決まり(日本では1989年から特定フロンなどの生産規制がスタート)、多くの人はオゾンホールをすでに解決した環境問題であるかのようにみなしています。

一度破壊された地球環境は、人類が破壊の原因物質を規制しても、元の状態に戻るには100年単位の時間がかかります。大気中のフロン濃度は減少しつつありますが、南極上空のオゾン量が1980年ごろの状態に戻るのは、早くても今世紀後半と予測されています。