
[第2回/沖縄県]「沖縄21世紀ビジョン」美らの島の展望
今回は日本最南西端・沖縄県です。2010年(H22)に「沖縄21世紀ビジョン」を策定し、2030年を目途とする将来像実現の長期構想を推進中。目指すは現代の「万国津梁」です。
県民が描いた5つの将来像
沖縄では県民が描く将来のあるべき姿を1年かけてアンケートを行い、「沖縄21世紀ビジョン」として長期構想を策定しました。県民の望む5つの将来像がこれです。
●沖縄らしい自然と歴史、伝統、文化を大切にする島
●心豊かで、安全・安心に暮らせる島
●希望と活力にあふれる豊かな島
●世界に開かれた交流と共生の島
●多様な能力を発揮し、未来を拓く島
これを実現する各種の具体的計画を推進中です。
※沖縄21世紀ビジョン http://www.pref.okinawa.jp/21vision/
目指せ、産学の先端的頭脳集積地
社団法人日本経済研究センターの調査で、今後沖縄の経済成長率予想が首都東京を抑え全国1位(第35回改訂中期経済予測2007~2020年)でした。要因は人口の増加で平均年齢も約40.5歳と若く、出生率も全国1位です。工学系の人材育成も多く、また沖縄科学技術大学院大学を中心に各教育機関を発展させ、産学で先端的頭脳集積地域を目指しています。経済産業省や総務省の基幹サーバ基地が沖縄にあり、IT関連企業の進出も増え、県内IT産業が成長しています。
国際物流拠点と那覇空港のハブ化
沖縄は総生産別に観光業・サービス業などの第3次産業が85.9%(全国平均/約74.5%)、第1次産業は1.6% (約1.2%)、第2次産業が12.3%(約24.3%)と構造的に弱いのですが、次世代の産業構想はあります(データは平成24年 内閣府と沖縄企画部)。
東アジアと日本本土の中心に位置し、国際物流拠点として空港や港に隣接する産業の集積に取り組み、平成24年4月に創設の「国際物流拠点産業集積地域制度」では、外国貨物の輸入の際の関税ゼロ、消費税ゼロなどの「保税地域」も設けています。那覇空港は国際航空物流のハブ空港として、アジア主要都市へ4時間程度でいけ、また24時間空港です。平成31年に完成予定の那覇空港第二滑走路も供用でき、さらに路線数拡大が見込まれます。
■那覇空港からの所要時間
⇒台北 1時間15分
⇒ソウル 2時間15分
⇒上海 2時間30分
⇒香港 2時間30分
⇒バンコク 4時間30分
行きたい国内旅行No.1 おススメは穴場の冬
昨年沖縄を訪れた観光客は過去最高の700万人を超え、今年度も記録を更新中です。「行きたい国内旅行先」のアンケートでも、常に沖縄は北海道、京都を抑えて断トツの第1位です。観光で一番の人気は「沖縄美ら海水族館」。巨大な水槽でジンベエザメもマンタも悠々と泳ぎます。次に琉球王国の「首里城」、石垣島の「川平湾」と続きます。食べものでは、沖縄そば、チャンプルー、ステーキ、ラフテーなどです。
実は、冬の沖縄は案外穴場で旅行代金も安く、日中は長袖シャツで快適に過ごせ、混雑もなく、ホエールウォッチングのベストシーズンです。那覇空港から車でわずか15分の絶景温泉・瀬長島温泉もあります。
今後も応援したい沖縄。外国人観光客も増え、すでに一流ホテルの進出計画もあり、基地跡地を再開発し、商業施設を充実させる計画です。「万国津梁」とは首里城の鐘に刻まれ、「世界の架け橋」になると宣言した琉球王朝時代の言葉です。ここを拠点に海外との交易・交流をさらに振興してほしいです。