2016年2月に観測された大気中の二酸化炭素濃度【402.59ppm】

大気

宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』に、「地球ができてからいままでの気温は、たいてい空気中の炭酸ガスの量できまっていたと言われるくらいだからね」という文章があります。では、その炭酸ガス(二酸化炭素)が大気中にどれほどあるかというと、窒素78.1%、酸素20.95%、アルゴン0.9%(ここまでで99.95%)に次いでわずか0.04%です。ごくわずかでも気温を大きく左右する二酸化炭素は、それほど強い力のある物質なのです。

今年3月、アメリカ海洋大気局(NOAA)は、大気中の二酸化炭素濃度が昨年に記録的な速さで上昇したと報告しました。年間の上昇率が3.05ppmで、過去56年間の観測では最大の年間増加量だったといいます。その結果、今年2月には大気中の濃度が402.59ppmにまで上昇しました。1800年以前には280ppmですから大幅な増加です。

私たちは二酸化炭素の増加や温暖化に関するニュースに、どこか麻痺してはいないでしょうか。このペースで二酸化炭素が増え、温暖化が進めば、いまよりもっと大きな被害がさまざまな分野で続出する危険性があります。これは麻痺してはいけない問題です。