1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
「みんなが始めた時にはもう遅い、みんながやらないことをやる。」
自らの信念を貫くことはできそうで、できないことです。周囲に反対意見が多ければ、なおさらのことです。しかし先代社長には、確固たる自信と先見の明がありました。タキゲン製造の行く末を案じ、現状に満足することなく更なる成長を目指した経営方針発表会での一節をご紹介します。
人がやりたがらないことをやるのが商売だと私は考えております。みんなが始めた時にはもう遅い、そんな考え方で今年はやっていきます。
要するに「儲からない」と人が思っていることをやればいいと思うんです。
たとえば、タキゲンは50年前、配分電盤、いわゆる盤屋さんの扉のハンドルや蝶番を作っていました。ほとんどが真鍮鋳物で手作りの時代でした。それを亜鉛合金のダイカストで鋳造したり、よそ様と違う方法でやり始めました。それが今のタキゲンになっていったわけなんです。
このようなことを私がやろうとすると、必ず周りから反対されました。今やっている真鍮鋳物のままでいいじゃないかと…。
そうじゃない。今のままでは儲からない。みんながやらないことをやらないと…。
というのが私の考え方です。
(2006年1月7日 新年経営方針発表会にて)