
1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
タキゲンの教育の基本は親分づくり
教育においては短所を克服することに重点を置くものが多いですが、タキゲンでは長所を伸ばすことで総合的な力を高める特徴的な教育方針「外接円教育」を行っています。この教育方針への思いについて、先代社長が語ったエピソードをお伝えします。
私の皆さんに対しての教育方針は、「親分づくり」です。
あなたたちがサラリーマンになろうとして入ってきたなら、今日やめても結構。あなたたちを、「親分」にするために入社させたのだから…。
使う人と使われる人の比率は、使う人が1割、使われる人が9割。あなたたちは、1割の使う人にならなければならない。
だからタキゲンでは、人から物をもらってはいけない教育をしているわけだ。あげる立場の人間を作っているんだから。
いいかい、もらう立場の人間を作っているんじゃないんだ。そこをよく覚えておいてください。
このような個人の人格形成は、今後非常に大切な基盤になるから、今日言ったことはよく頭の中にたたき込んでもらいたい。
毎年言うことだけれども、先輩たちにお願いしたいのは、新入社員は、型で例えると正方形のようなもんだ、ということ。これは、何回も教えているはずだ。
4本の辺が長所であって、4つの角が短所だと思えばいい。その人間の短所をなくそうとすると、内接円の人間になってしまう。長所である辺を伸ばしていくと、外接円になる。
だから、内接円の小さな人間を作るか、外接円の大きな人間を作るかは、あなたたちの双肩にかかっているんだ…。
先輩は頼んだぞー。
(1984年4月号 創立式典・入社式のスピーチより)